昔は少年マンガの女性は「ただ守られるだけ」だった
最近気付いたんですけど、昔から今にかけての少年マンガにおける、女性キャラの「戦力としての活躍」を見ると、時代による男女の役割の変遷がよく見えてくるなーと。
たとえば、昔だと北斗の拳。
マミヤとか、その辺のモヒカン1人や2人ならヨーヨーで倒せるくらいの女傑なんですけど、束になってかかられると無理。
とーぜんながら北斗や南斗の継承者からするとお話にならないレベルで。
結局、女性は多少強くても「守られる役割」だったんですよね。
ユリアも南斗最後の将として出てくるけど、戦えるわけではなく。
「ひたすら作中のメインキャラの男性を虜にする」という、ものすごく困った能力者(笑
立ち位置的には、完全に昔ながらのお姫様ですよね。
ジョジョも最初は女性は守られ役
ジョジョだと、最初の事は味方の女性は完全に守られ役でした。
1部のエリナは、宿敵ディオにファーストキスを奪われるかわいそうなお姫様役。
2部のリサリサは師匠で強いけど、結局は柱の男は全員ジョセフが倒したし、最後は守られ役でした。
3部は、母(娘)の命を守るための旅で、ヒロインは完全にとらわれのお姫様役でした。
女性キャラの仲間が本格的に強くなるのには、5部のトリッシュまでかかりますね…
守られていたけど、覚醒して強くなった感じ。
4部の由花子はヒステリー女の敵キャラというかんじだったし。
6部では主人公が女性になったけど、超たくましかったですよね。
ドラゴンボールのブルマはは頭脳役だった
ドラゴンボールのブルマは頭脳役でしたよね。
チチはがんばって修行して天下一武道会にでたけど、早々に教育ママと化して、戦うお嫁さんにはなれませんでした。
主役に混じって戦う強い女の子が出てくるのは、GTのパンまでかかるかなぁ…
(追記)
18号忘れてましたw
あと、ゲストキャラでアラレちゃんが出てきて、よりによって悟空より強かったですねー
ふたりとも、女の子というより、もはや戦闘兵器ですが(笑
聖闘士星矢の沙織さんはほんとは一番強いはずなんだけど…
あとは、聖闘士星矢の沙織さん。
沙織は女神アテナで、本来はハーデス倒せるくらい強いはずなのに、なぜかいつも基本的に守られ役で、ろくに戦いませんでした。
というか、真っ先に突っ込んでいって、敵にとらわれて、主人公たちがそれを助けるみたいな構成で(;´Д`)
一応、師匠の魔鈴さんは、序盤は同僚の白銀聖闘士を倒す見せ場があったけど、それ以降は戦力外。
女性キャラ一番人気のシャイナさんもそこそこ強いはずだけど、やっぱり戦力外。
今や、女性も男性と一緒に戦って、
しかも強いのが当たり前になった
それが今になるとどうなるか。
たとえばワンピース。
ニコ・ロビンとか、あきらかに強キャラですよね。
むしろ、能力強くしすぎて、使い勝手に困るレベル。
これは、肉体バトルから能力バトルに時代が移行したからかというと、そうでもなく。
ジャンプではないですけど、進撃の巨人のミカサとか「脳のリミッターを外すことで、人体の能力をフルに発揮できる」とか、なんかそんな設定で、むしろ「主人公を守る役」に。
女性のはずなんだけど、ミカサより明らかに強いといえるのは、リヴァイ兵長だけとか、もはやおかしいレベル。
こんなふうに、なんか女性キャラが平気で男性に混じって戦って、しかも戦力として大活躍するようになっているんですよね。
女が女のままで、変身もせずにそのまま強いのが今の時代
ベルばらのオスカルが、普通に男性にまじって、あきらかにその辺の男性より強いというか、一番頼りになるリーダーでした。
でも、これもよく考えてみれば「男性として育てられた女性」というバックホーンがあってのものだったわけで。
セーラームーンも、主人公のうさぎが恋人のタキシード仮面より強く、タキシード仮面はほとんど戦力外なわけですが。
これも「変身できるから」というのもあるんですよね。
それが、進撃の巨人とか、もはや「主人公が変身できるのに、変身できないヒロインが主人公を守る」とか、とち狂った状態に(笑
現実社会でも、どんどん女性が強くなってきていますが、その世相が反映されて、マンガでも、どんどん女性が男性と対等になっていってるんですよねぇ。
「女の子だって、王子様に護られるだけじゃないの」
と宣言するセーラームーンは90年代の象徴かも
現在放送中のセーラームーンクリスタルの主題歌 Moon prideの歌詞では
ああ 女の子にも譲れぬ矜持がある
それは 王子様に運命投げず 自ら戦う意志
Shiny Make Up 輝くよ 星空を集めて
ただ護られるだけの か弱い存在じゃないわ
という部分があるんですよ。
作者の武内直子先生の作詞で「女の子だって、守られるだけじゃなくて、自分で立ち向かうんだよ」っていう内容ですね。
でも、この感覚は90年代の感覚で、10年代は「女の子はすでに、そんなこと言う必要がないくらい強い」という気がします。
80年代のマンガの「女の子は護られるだけのか弱い存在」という状態だったわけです。
でも、それにガマンならなかった90年代のセーラームーンは「女の子だってか弱いだけじゃなくて、自ら戦うの」と声高に宣言していたわけですね。
で、00年代はいちいちそんなこと言わなくても当たり前のように一緒に戦っていたわけです。
これがもう10年代になると「ぶっちぎりに強い女の子が男の子を守る」というのを、少年マンガでやっちゃうと(笑
マンガを見てると、女性がどんどん強くなってきて、男女平等かがすすんでいるのがよくわかって、おもしろいなーと。
ジャンプ漫画で女の子が強くなり始めたのは、
ドラクエからかも?
で、ジャンプ漫画だと、この流れってどこからなのかなーと考えてみました。
わたしの知ってる限りでは、かわいい女の子が最前線で戦って、しかも強かったのは、ダイの大冒険のマァムが一番昔かなぁと。
賢者のレオナ姫は後方支援役でしたが、武闘家のマァムは前線で活躍してましたからね。
まぁ、結局は終盤あんまり活躍できなかったのですが、女の子だからというよりは、どっちかというとインフレの犠牲者ですね。
で、マァムが武闘家と活躍したのは、ドラクエ4でアリーナ姫が鬼のような強さを誇っていた後なんですよね。
1986年発売のドラクエ1では、お姫様は「さらわれて助けだされるだけの役割」でした。
1987年発売のドラクエ2では、お姫様は後方支援役の魔法使いでした。
で、1990年発売のドラクエ4では、前線でものすごい腕力で敵を殴り倒す最強のお姫様が誕生したわけですね。
これが時代の変化かなーと。
(追記)
一応、生身じゃないけど、アラレちゃんを元祖にするという考えもありですね。
あとは、バトルじゃないけど、ジャンプだとキャッツアイもありますね。
他にもナウシカなどもいますし、どうやら「1980年代には、男性に混じって活躍する女性が出てき始めた」というかんじでしょうか。
で、90年代に「もうさらわれたり守られたりするだけじゃない」となって、00年代にはそんなことを言う必要性もなくなってきた、と。
昔はたまに見かけた「女だからってなめないでね」という風なことをいうキャラとか、もうほとんどいないような?
1970年代以前だと、女性が単独行動するシーンは不安しか無い
これが1970年代だと、マジンガーZに出てくるおっぱいミサイルロボのアフロダイAなんか、検索してみると、検索候補に「足手まとい」とか出てくる始末(笑
70年代アニメだと、ルパンの不二子も、一味の中で明らかに能力が低くて、アニメを見てる時は、不二子の単独行動は危なっかしくて不安で仕方なかった記憶があります。
「紅一点」だと「かわいい」が特殊能力になってしまう
1960年代だと、サイボーグ009の紅一点の003 フランソワーズが、「サポート能力だけど、戦闘能力もそこそこあって、たまに前線に出てくることもある」という設定。
一般人より明らかに強いけど、あまり頼りにはならないというと、不二子くらいのイメージでしょうか。
まぁ紅一点だと「かわいい」だけで強い個性になっちゃいますからねぇ…
1979年版009のオープニングとか、他のキャラはそれぞれ特殊能力を使ってるのに、フランソワーズだけかわいさ強調だったんですよね。
女の子は、かわいいことがそれだけで特殊能力なんだという時代。
これが、女の子が二人いると、そういうわけにもいかなくなって、活躍が増えるのかもしれませんね。
あとは、やっぱり「男装」で強くなったリボンの騎士でしょうか。
この辺の作品、見たこと無いんで、きっちり見たいですねぇ…
まぁそんなわけで、確実に男女の役割の平等がすすんでるなーと。
「男性が弱くなった」というふうに言われていたりしますが、80年代の感覚で生きている人が今を見れば、そうなのかもしれませんね。
今の時代の感覚だと、「女性も男性と一緒に最前線で活躍していて当たり前」なんですよね。
「女だから」というだけの理由で、最前線で戦えなくなったりしないわけです。
特に、今の10代は、完全にそういう感覚なんじゃないかなーと。
今、社会を動かしている人たちは、まだまだ80年代以前の「女の子は守られ役」の時代に生きた人なのでしょう。
これが、90年代の感覚の人が社会を動かせるようになると、一気に変わりそうですよね。
「女性の社会進出」という言葉が死語になり、「当たり前のように女性が活躍している」という時代が、すぐそこまで来ているのかもしれませんね。
私が知っている古い漫画で女性が活躍する代表作はDr.スランプの主人公アラレちゃんで、彼女はDBにも出ているキャラですが、鳥山明先生の作ったキャラの中で最強だと思います。
それ以外はアニメだけですけど、ドラゴンクエスト(アベル)のデイジィ。
彼女は戦士であり、勇者の仲間で女性で活躍したキャラクターの代表です。
最後に風邪と谷のナウシカのナウシカで、どちらかというと映画のほうが有名ですが、漫画の方が先で、古くからあり活躍している女性です。
申し訳ありません。
書き忘れてましたが、キャッツ・アイなんかもありますね。
ただこの漫画の場合は怪盗VS刑事なので、バトル漫画とは言えないかもしれませんが。
☆おまけさん
いろいろありがとうございますー
おまけさんに言われて気付いたことを追記として書いておきました。
おおっ、アラレちゃんを忘れていましたw
当時の悟空より強いという、ぶっちぎりの女の子。
…でもあれは、どっちかというと兵器の気もします(笑
女の子の姿をしてるのに、超強くてプロレスごっこ大好きなギャップねらいだったのかも?
ドラゴンボールの18号も強いし、人外だと女性でも強くしやすいのはありそうですね。
アベル伝説は、戦う女ディジィと、さらわれるお姫様のティアラがいて、女性の過去と未来が描かれているといえるかもしれませんね。
ナウシカ、キャッツアイ、ドクタースランプ、すべて1980年代ですねー
ということは、1980年代に「女性が前線にたって活躍する形」がちらほらではじめて、1990年代に「女の子は守られてるだけじゃない」という風潮になって、2000年代にそれが当然になってきたのかも。
そうなると、1970年代がどうだったかですねー
とりあえず、70年代でぱっと出てくるところでは
ルパンの峰不二子→TVシリーズでは女を武器にするだけで、戦闘能力は全く期待できなかった印象
マジンガーZのアフロダイA→おっぱいミサイル、足手まとい
…そもそもバトルもの自体が少ない予感(笑
ルパンは、子供心に不二子だけあきらかに能力が低くて気になってたんですよね。
不二子が単独行動してるときは、捕まりそうで不安で不安で。
普通に男性キャラも多くでて強い女性といえば少佐ではないでしょうか?(攻殻機動隊ですね。)
でもあれは最近のかな?w
じゃあ古いので女性が強いのあげときますか。
幽白の幻海なんてどうでしょうか?w(女性が主人公なのをはぶくとこんな感じかとw)
☆いつも読んでいる人さん
コメントありがとうございますー
上のおまけさんのコメント見て、色々追記書いてますので、よければ見てみてくださいー
幽遊白書はセーラームーンと同時代なので結構新しいかなと。
時期的にはダイの大冒険のマァムと同じくらいかな?
実は幻海も書こうかと思ったんですけど、長くなりすぎるので省いたんですよ。
この場合は女性キャラというより「師匠の老人キャラ」という、強くて当然の立ち位置ですからね。
ただ、おじいさんが師匠のことは多いのに、おばあさんというのは割と珍しいですよね。
幻海は、強くてかっこいい老婆キャラの決定版かも(笑
70年代は漫画だけでなく、アニメだけを混ぜると結構あると思いますよ。
たとえば、有名なのがヤッターマンで、他にはロボットアニメ、ザンボット3のヒロイン神北恵子です。
(ただこのアニメは主人公がドラえもんの声優が有名なので、好きでした。後ストーリーも面白かった)
それとコンバトラーVの南原ちずる、ゲゲゲの鬼太郎の砂かけ婆と猫娘(この2人は戦力として弱いかな?)などがおり、探せばまだまだ出てきそうですね(^^)
☆おまけさん
なるほど、探せばそこそこいそうですねー
まぁ、傾向として「男性にまじって戦える女子は、少なかったけど、年々増えてきているし、逆に守られるだけのお姫様は年々減ってきている」といったところでしょうか。
生身の人間でも、平気で女子が強くなったのは、さすがに最近かなぁ…
最近になるほど女キャラの活躍が増えてるのは、単に「美少女キャラをメインで活躍させた方がウケが良い」という
(男の要望を優先した)商業的側面が強くて、男女平等や女性の社会進出とはあまり関係無い気がします。
実は80年代のロボットアニメ辺りで既に「男に混じって女が最前線で戦うのは当たり前、中には男より強い女も」なんて状態に突入してたわけですが、
これも社会情勢の変化以上に、日本におけるオタク文化の形成が深い要因になっているのではないかと思われます。
余談:70年代でも実写特撮物なんかでは割と「戦う強いヒロイン」が珍しくなかったりします。
特に『アクマイザー3』のヒロイン・ダルニアなんて「主役の男3人がまとめて返り討ちに遭うような強敵をダルニアは遊び感覚で手玉に取る」などという物凄いパワーバランスでした。
(流石に問題があったのか、すぐさまテコ入れが入って一気に弱体化されましたが)
☆HIGさん
うーん、どうなんでしょ。
商業的側面もあるでしょうけど、こんだけ「少年マンガでも女の子が当たり前に強い」という作品に触れていると、10代くらいだと「現実世界でも女性が男性にまじって活躍しててもおかしくない」という感覚が強くなりそうな気がするんですよね。
まぁ「こういう見方もできるかな」程度にとらえてくださーい。